クリーニング屋事情

本店

お問い合わせはこちら

ブログ

クリーニング屋事情

2023/08/30

クリーニング屋さんはツライよ…

富士屋クリーニングでのお話です

富士屋クリーニングでありました、寂しい現実のお話をひとつ。

 

当店は昭和34年に創業した、古い、ふる~いクリーニング屋さんです。

昔ながらのやり方で、ご近所様からのご愛顧に支えられて64年。

細く、長く続けて参りました。

ですが昨今、様々な値上がりの時代を迎え、とてもとても厳しい懐事情の中、

大きすぎる値上げをしないように頑張りつつ、今を生き抜いています。

 

「もう30年以上通っているんだよ」

と仰ってくださるお客様もいらっしゃる中、当店……というより、ブログを記載している

わたくしの不手際によりお客様へのメール配達依頼をふいにしてしまったこともありました。

(その節は某会社様に大変なご迷惑をお掛け致しました、重ねてお詫び申し上げます)

 

そんな中、つい先日の出来事です。

当店に勤めて20年にもなるベテランパートさんからの言葉に衝撃を受けました。

「テレビのニュースで見たの。クリーニング屋って、(経済的に)大変なのね。初めて知ったわ…」

え、今!!?

今なんですか、パートさん!!

その言葉にショックと共に心で滂沱の涙が……。

20年働いてくださっているパートさんでもそんな状態なら、

他の方がクリーニング屋の苦しい事情を知らなくても当然のことですよね…。

 

ということで、わたくし、皆様にもクリーニング屋事情を知っていただくために少しだけ

書かせていただきます!

 

<売上あっても出ていくお金の方が多いことがあるのです!>

 クリーニング屋て儲かるんでしょ?と、様々な方に言われますが、そんなことはありません!

 入金は【売上】のみ。これに対し、出金は。

 【家賃】【人件費】【光熱費】【材料費】【ガソリン代】【機械・その他リース代】

 【保険料】【契約手数料】【消耗品などの雑費】等々…。

 富士屋クリーニングの例だけでいっても、ざっと上げただけでこれだけあります。

 実際にもっと細かく上げていけばもっとあります。

 しかも良い家庭用洗剤や洗濯機、乾燥機などに加えて洗いやすい素材などの普及により、

 売り上げは落ちる一方。

 ですが人件費、光熱費、材料費、ガソリン代などの値上げにより、支出は増える。

 こんな状態で「儲けてます!」など言えるはずもなく…。

 クリーニング屋さんの材料として使われる代表格、プラハンガーや包装用袋などは石油製品ですし、

 ドライクリーニングは石油系洗剤を使用しますので、年中値上がりしています。

 (※富士屋クリーニング内、独自感想)

 光熱費は家庭用ではなく業務用での契約となっておりますが、

 冗談でしょう!?と言いたくなるほど値上がっています。

 特にガス・水道。電気より高い……。

 クリーニング屋さんは、衣類を洗って乾燥させてアイロンかけて包装して袋に入れてお渡しする、

 の繰り返しです。(配達が入ることも)

 ◆受付には消耗品(タックや伝票、筆記用具や安全ピン、セロテープや紙テープ等)と

  機械(レジや電卓)と電気と人手が必要です。

 ◆洗うには水と洗剤(多種)と機械(複数)と電気と人手が必要です。

 ◆乾燥には(時々洗剤)機械(複数を長時間)と電気とガスと人手が必要です。

 ◆アイロンには機械(アイロン)と水とガスと電気と人手が必要です。

 ◆包装には袋(多種)と機械と消耗品(セロテープ等)と電気と人手が必要です。

 ◆配達(支店回りや宅配等)にはガソリンと車と人手が必要です。

 これだけの作業に対し、入金されるのは皆様からのクリーニング代のみ。

 ……厳しいのです、クリーニング屋さんの懐事情は!!

 

厳しさに拍車をかけたのは、コロナでの影響もあります。

お外に出てはいけない日々が続くなら、クリーニング屋さんに出す衣類や寝具なども減りますよね。

よって、更に懐事情が厳しくなりました。

コロナ中では政府より事業継続金としてもいただきましたが、正直全然足りない!!

日常生活に必要な企業としてクリーニング業もありましたので、飲食店さんのように

追加の支援はいただけていないのです。足りませんて…。

 

いつ終わるかわからないコロナ情勢で泣きたい日々も多々ありました。

ですが最近、やっと以前のような生活に戻りつつあります。

お客様の笑顔や会話も増えました。

これを励みに従業員一同、頑張っております。

 

富士屋クリーニングだけが厳しいわけではないのは重々承知の上です。

そのうちクリーニング業が消えてしまうのではないかという恐々とした思いもありますが、

富士屋クリーニングとして、従業員一同、頑張ってます!

 

皆様のクリーニング屋さんへのご理解が少しでもいただければと思い、書かせていただきました。

すべてのクリーニング屋さんが当店と同じ状況であるとは限りません。

もっと裕福なところも、もっときついところもあると思います。

同じクリーニング屋さんとして、業界を応援しつつ、皆様の健康をお祈りいたします。